21g

『21g』

21g


製作総指揮 テッド・ホープ
製作 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ / ロバート・サレルノ
監督 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
脚本 ギジェルモ・アリアガ
撮影 ロドリゴ・プリエト
美術 ブリジット・ブロシュ
音楽 グスターボ・サンタオラヤ
衣装 マルレーネ・スチュアート
出演 ショーン・ペン / ナオミ・ワッツ / ベニチオ・デル・トロ / シャルロット・ゲンズブール / メリッサ・レオ / クレア・デュバル / ダニー・ヒューストン / ポール・カルデロン / テレサ・デルガド / マーク・トーマス・マッソ




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まともな人間出てきません。いや、まともって定義も難しいねんけどね。

「不幸」に直面する3つの人生。
心臓移植でしか延命の手段がない、ドナーが見つからないと死ぬ。ある面"人任せ"の宿命に弄ばれる男。
と、彼の子供を身籠ることで夫婦の絆を再構築しようとする妻。
愛する夫と子供を一瞬に亡くし、憎しみと薬物の力を借りてようやく生き永らえている女。
何をしても裏目の人生の中、神を信じ、神の与えた試練と考えるのにはあまりに大きなものを背負わされてしまう男。

人生、ここまで思い通りに行かない時、人は人との究極の"関わり"を求める、いや、"関わり"を拒絶する。

演出も秀逸、画面の色も構図もよく計算されているけど、台本を段落ごとにぶち切って、シャッフルしたような進行に「あ、こら分からん!」と感じてしまった人は最初からしんどいやろね、この映画。
3つの人生、3人のストーリーが時系列ぐちゃぐちゃに入り乱れて進行していきます。
大きく右に左にぶれたファインダーの焦点がだんだん合わさっていくかのように、観客の僕らの心を掴んだまま、ストーリーはドンドン佳境へと展開していく。

偉そうな言い方をするつもり、ありません。が、人を"愛する"(←かなりキリスト教の宗教観が入ってるかな)こと、人と"関わる"ことの運命的・宿命的な何か、を見つめ直す作品やないかな。


(2003/アメリカ作品)


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